甲斐駒・仙丈ヶ岳
(2,967m、3,033m)

8月19日(土)晴れのち曇り
8月20日(日)晴れ
メンバー 7名(又三郎、鈴北、かめ、みかん、ちゃば、あーちゃん、ひーさん)

仙流荘バス停より
仙流荘バス停より

長衛荘
長衛荘

栗園
さあこれから出発です

仙丈岳登山口
仙丈岳登山口

マルバタケブキの群生
マルバタケブキの群生

モミジカラマツ
モミジカラマツ

仙丈小屋
仙丈小屋

仙丈岳カール
仙丈岳カール

仙丈岳頂上でくつろぐ
仙丈岳頂上でくつろぐ

シエスタ
シエスタ

チーズ鍋を囲んで
チーズ鍋を囲んで



今年は、7月の白山例会が雨で流れたため、待望のアルプス方面遠征となった。
週初めに発生した二つの台風も、夏の高気圧の勢力に西の方にそれ、信州方面はまずまずのお天気ということで、期待に胸を膨らませての甲斐駒・仙丈である。実は私にとって、過去二回、雨のため途中敗退しているし、今年5月の骨折後初の登山である。 今回は、2台の車に分乗しそれぞれ前夜午後九時過ぎに出発し、草津PAに9時30分集合後、一路登山口の麓、仙流荘を目指した。
19日午前2時頃仙流荘バス停に到着し、朝一番のバスの出発まで、バス停のベンチや車の中で寝た。バス停のベンチで野宿とは驚いたが、そのお陰でバスの順番は先頭ということだ。やはり夏、フリース一枚を上に着ただけで全然寒くはなかったが、途中の車で寝てたためか熟睡とまではいかなかった。5時頃になると他の登山者が並び出し、我々もリュックを並べ、その場で朝食を済ませた。
予定より早く5時30分頃にバスは標高2030mの北沢峠へむけて出発、夏山シーズンの土曜日、満杯状態で膝の上の荷物が重く窮屈だが仕方がない。約1時間ほどで1000mほど上がり北沢峠に到着、そこから10分ほど離れたテント場(北沢長衛小屋)まで重い荷物を背負って歩く。今回は、このテント場にテントを設営し、サブザックで両ピークを往復するというラクチン登山で、肩を骨折した私(ひーさん)にとって大助かりである。
当初は、初日に甲斐駒ケ岳の予定であったが、鈴北SLの提案で、翌日、出来るだけ午後一時のバスに乗りユックリと帰途につきたいので、途中に花が多く時間のかかりそうな仙丈岳の方に向かうことになった。
8時5分、抜けるような青空の中、北沢峠のドロの木横の登山口を出発。誰かが言ったまごころステップで、鈴北SLを先頭にいよいよ登山道へはいる。早速、道脇にはカニの甲羅に似た大きな葉の間から長い茎を伸ばし、上部にまばらで小さな花を付けるカニコウモリという花が我々を迎える。体が慣れて無いせいかいきなりの急斜面がキツイ、かなり登ったはずなのにまだ一合目、少し過ぎた所で休憩タイム。
流石にまごころステップ、約20分毎に5〜10分の休憩であった。それに加えて、今日は時間に余裕があるので、花を見つけては撮影タイム、これが結構休憩になった。
四合目の道標を過ぎ樹林帯の中をトラバッテ行くと突然に鮮やかな黄色の花、小ぶりのヒマワリのような花(マルバタケブキ)の群生に出くわす。斜面全体がこの黄色い花で覆われてる様は、何か不気味な感じも受けた。このような群生は、かなり上部の樹林帯まで所々で見られた。
大滝頭(9時53分)で小仙丈から下ってきた二人組に会い、小仙丈ルートと藪沢を経るルートのどちらが登り易いかと問うと、間違いなしに藪沢ルートであるとの返答、これを聞いて我々のL、SL、即座に藪沢ルートに予定変更。
程なく藪沢小屋に到着(2540m、10時22分)、約10分の休憩後、馬の背を目指す。まだまだ樹林帯が続き、ゴゼンタチバナやトリカブト、モミジカラマツ等々、多くの花に出くわす。馬の背ヒュッテを横目で見ながらしばらく登ると、樹林帯を抜け稜線、馬の背に辿り着いた。
ここで(2680m、11時8分)約10分の休憩をとるが、残念ながら空は曇って、小仙丈〜仙丈の方向には雲がかかり見晴らしは良くない。この稜線をどんどん登って行くと、やがて、大きなカールの下に出る。仙丈小屋に到着です。(2860m、12時00分)カールの奥に壁のようなピークが雲(ガス)の晴れ間に見えるが、仙丈ケ岳である。約10分のトイレ休憩後、山頂へ、まずカール壁をジグザグに直登して稜線に出る。それから稜線上をゆるゆると登ると、約20分で頂上、仙丈ケ岳に到着(3033m、12時30分)。
本来であれば360度の展望、南アルプスの連山、富士山、中央アルプス、北アルプスまで見渡せるのだが、雲が邪魔して何も見えない、時たま上空の雲が晴れて少し青空が覗く位だ。ユックリと昼食と休憩をとり、13時15分に小仙丈の方に向けて下山を開始した。
まずは単調な尾根の下り、昼食の後、しかも昨夜の睡眠不足、眠気が襲うのか足下が危ない、鈴北SLの粋な計らい、やや平らな岩場(2935m、13時30分)で暫しのお昼寝タイム。曇ってて風が無いため、皆、気持ちよく一眠りしたようだ。
14時00分、下山再開、依然として単調なガレ場を下り、14時20分に小仙丈ケ岳(2855m)に到着、約5分の小休止をとり、今度はかなり急な岩のゴロゴロ道を大滝ノ頭(15時30分)まで下り、約10分の休憩後、そこからは、空模様が幾分怪しくなったものの少しぱらつく程度で、雨具を付けることもなく来た道、樹林帯の中の急な尾根を下って16時30分にテント場に帰着した。
その頃には、空は雲が切れ青空が覗き遠く稜線の上に顔を出す摩利支天のピークが白く輝いて、明日の好天が期待出来る。 休む間もなく、夕食の準備です。メニューはチーズ鍋、下準備は、あらかたみかんさんにして頂いており、かめさんが家宝の(?)ナイフで野菜類を手際よくカット、大きな鍋二つでぐつぐつ煮ます。その間、皆は冷えたビールで渇いた喉を潤す、色々と持参したおつまみも頂きながら、山の話、などなどで盛り上がるうちに、チーズ鍋が出来上がり、・・・実に美味しい、フランスパンを囓りながら、何杯もお代わりしてお腹いっぱいになった。 楽しい晩餐、和やかに時間が過ぎ、気が付けば6時をまわり夜の気配が・・・、後片付け明日の準備をして、早々に就寝。

夜明け前
夜明け前

日の出
日の出

朝日を浴びる仙丈岳
朝日を浴びる仙丈岳

富士山が!
富士山が!

甲斐駒への巻き道
甲斐駒への巻き道

神々しい
神々しい

甲斐駒ヶ岳集合写真
甲斐駒ヶ岳集合写真

さようなら甲斐駒
さようなら甲斐駒

熊


鹿
バスの窓から見た鹿

午前2時起床(ちゃばさんが起こしてまわる)、各自準備をして午前3時出発である。出来るだけ北沢峠13時発のバスに乗ろうと言うことで早目の出発となった。残念なことに鈴北SLが、昨日の長い下りで膝の古傷が痛み出したと言うことで、大事をとって甲斐駒は断念することにした。
満点の星空(こんなに沢山の星を見るのは何年ぶりだろう?)の下、細い三日月がかかる仙水峠を目指して、先頭の又三さんの熊鈴の音色が闇に涼しく響く中をヘッドランプを頼りに黙々と登った。昨日同様、20〜30分に約5分の休憩を入れまごころステップで。
4時30分、仙水峠に着くと東の空が白み始める。ご来光には早いので約10分ほど休憩した後、駒津峰への稜線に取り付く、右手の大きな山塊、摩利支天が黒く聳え圧巻である。
5時00分、ご来光を仰ぐために休憩。5時6分八ヶ岳付近から日の出、刻々と光が変化し色が移ろい、山の上でのご来光は何度経験しても素晴らしい。おまけに天候は快晴、青空が美しい、皆、良い写真が撮れたことだろう。
5時15分出発、明るくなった山道には黄色いアキノキリンソウやブルーのイワギキョウが迎えてくれる。左後を振り向くと、大きく優しい山容の仙丈ケ岳が朝日に輝いている、南アルプスの女王とは良く言ったものだ。高度を稼ぐにつれ、栗沢山の後からピラミダルな北岳が徐々に姿を現す。
6時35分、駒津峰に到着。北に巨大な甲斐駒ケ岳と摩利支天、そして、見えた!富士山がオダリスクがポイントの鳳凰三山の右後に美しいシルエットで。南アルプスの名峰北岳も間の岳や塩見岳・・・を従えて、目を西から北に転ずると木曽駒など中央アルプスの山々、そしてすぐ右に御岳山、少し離れて乗鞍岳が雲海の上に姿を現していた。 休憩約10分、絶景に後ろ髪を引かれる思いで、甲斐駒ケ岳頂上でのさらなる眺望を期待し先を急ぐ。
急坂のアップダウンを繰り返し、甲斐駒ケ岳への鞍部、六方石に7時10分到着、約5分の休憩の後、いよいよ甲斐駒への登りだ。直登ルートと回り道ルートがあるが、又三Lは迷わず回り道ルートへ。
直ぐに甲斐駒特有の花崗岩の崩れたザラザラのトラバース道に入り、摩利支天の方に巻いて行く。頂上に近づくにつれ風化しつつある花崗岩が多くなりその岩の間をよじ登り、 まずは北側の少し低いピークに到着(8時10分)、みかんさんがかなりきつそうだったので、ここで大休止、朝食タイムにした。
期待通りの360度の眺望、残念ながら穂高連峰は雲海に隠れてしまったが、登る道々小さくはあるが槍ヶ岳から西穂、前穂まではっきりと見えていた。
雲海が徐々に高くなり、手前に摩利支天、雲海に浮かぶ鳳凰三山、背後に富士山の見える光景は筆舌に尽くしがたく、何か神々しさを感じた。
約15分の朝食タイムの後、5分ほどで甲斐駒ヶ岳の頂上に(8時30分)、こんなに早い時間にも拘わらず、多くの登山者が写真を撮ったり、眺望を楽しんでいた。誰からと無く、遠くの塩見岳を見て今頃さかじんさんやひろぴーさんもこちらの方を眺めているのかな?と。(実はさかじんさん達は6時30分に頂上だったと言うことなので、丁度駒津峰の頂上で視線を交わしていたことになる)我々も記念の集合写真を撮り、10分ほどユックリした後8時40分に下山を開始。
同じ道を下山、集団の登山客など登って来る人が多く、行き違いに時間をとるが、それでも9時20分に六方石に、そして駒津峰には9時50分着。12時にテント場着を予定しているので、あと2時間である、ユックリしたいが10時丁度に双児山経由の尾根道コースを下山開始。正面の仙丈岳を見ながら、急斜面を膝を痛めないように慎重に下る。
双児山(2650m)に10時30分到着、5分間の休憩後、北沢峠を目指すが、この下りが長かった。途中、適度に休憩を入れながら、ほぼ予定通り12時5分にテント場に帰着。約700m下るのに90分かかったわけだ。
13時のバスに間に合う様に、急いでテントを撤収、荷造りをして12時40分にはバス停に向かう。重い荷物を背負って最後の頑張りだ。 バス停では、近くに山梨県警のパトカーがいたりして異様な雰囲気、熊談義に花が咲いていた。留守番の鈴北さんに聞くと、昨夜テント場近くの仕掛けに熊がかかり檻に捕らわれおり、それがまさに我々のテントの直ぐ近くだったそうで、冷や汗もの。知らぬが仏、テント場では、昨日まで3日間連続で2頭も熊が出没して、テント周りの食べ残しをあさってたとのことだった。
バスは13時に出発、女性運転手がバスガイドをしながらの和やかな仙流荘までの約1時間だった。途中、鹿の親子連れに出会ったり、猿の集団に出会ったり、マルバタケブキの黄色い花に舞うアサギマダラという渡りの蝶々の話とかで退屈しなかった。
戸台口の仙流荘の風呂はこれから混みそうなので、バスの運転手に教えて貰った高遠温泉のさくらの湯に向かい、14時半に到着、ユックリと温泉に入り2日間の汗を流した。 16時に温泉を出発、帰路につくととたんに土砂降りの雨、山で遭わなくて良かったと胸をなで下ろす。お天気に恵まれ、二日間ではあったが本当に楽しいアルプス遠征でした。


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送